液体の分析

元素分析 ( ICP, 原子吸光)
 液体には水とアルコールのように容易に均一化するものと水と油のように全く融け合わない場合があります。また、固体微粒子が液体中に分散している場合やゾル状物質もあります。固体微粒子の粒度分布測定などは光散乱計が利用できますが、一般的には濾過などを利用して固体と液体とを分離します。
 ここでは均一に溶解する場合の分析について述べます。
 例えば、固体の合金の元素分析を行いたい場合、合金を酸で溶かして液体にすることが可能です。
このような溶液が準備できるならICP発光分光分析装置や原子吸光分析装置=ΑΑで定性分析は勿論、ppm場合によってはppbオーダーでの定量分析が可能です。
 ICPはアルゴンガスを高周波で超高温に加熱しプラズマ状態にします。その中に液体試料を吹きかけ、溶液中の元素がプラズマ化され、元の原子状態に戻るとき、エネルギーを放出してΔE=h・νの関係を満たす波長を有した光を発光します。
 この波長は元素の種類によって決まっているため、波長を調べることで元素の種類が、この波長の光強度を検量線(濃度既知の試料から濃度と光の強度の関係)と比較することで定量分析が可能。
 元素によってはお互いの波長が重なる(干渉)ことがあり、干渉する元素が存在する場合は注意深く分析する必要があります。
 原子吸光による元素分析は上述のガスと同様、液体も特定の波長の光を吸収するため、吸収端の波長と吸収強度を知ることにより、定性・定量分析が行える装置です。

分子構造解析 (核磁気共鳴装置=NMR, 質量分析装置=MS)
 有機あるいは高分子を適当な溶剤に溶かして液体とし、核磁気共鳴装置=NMRや質量分析装置=MSを用いて、分子構造を調べることが出来ます。
 NMRやMSは有機化学の研究者にとって不可欠であり、年間の利用率が最も高い装置となっています。

その他の分析 (IR, FT-IR)
 ICPや原子吸光=AAによって定性分析が可能なことは言うまでもありませんが、IR、FT-IRによっても液体測定用の部品が備えられていれば、定性・定量分析が可能です。
 蛍光X線分析装置も同様に液体サンプル用の試料ホルダーがあれば定性・定量分析は可能です。(現在は液体用サンプルホルダーを所有していません)。