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分析できること |
固体材料の分子・原子レベルの構造を調べる分析法です。対象が有機材料の場合は官能基の種類や存在量が、無機材料の場合は金属元素の配位状態などがわかります。
固体が溶液と決定的に違うところは「分子・原子運動が非常に遅い」という点です。
そのため、本来あるべき相互作用(化学シフト異方性、双極子−双極子相互作用など)が強調された広幅なスペクトルが得られてしまいます。溶液の場合と同様な、「化学シフトの寄与を強調したスペクトル」が欲しい場合は試料を高速回転させるなど、専用の固体NMR装置を用いる必要があります。
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分析原理 |
1Hや13Cなど原子核の中には核スピンを持つものがあり、それらを一定の磁場の中に置くとエネルギーレベルが分裂しそのエネルギーの差に対応する周波数になったところでエネルギーの吸収(共鳴現象)が起こる。これを核磁気共鳴(NMR)といい、このときのエネルギー吸収、
あるいはその後のエネルギー放出を電気的に捕えることによりNMRシグナルが得られる。
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分析試料について |
直径約4〜7mm、長さ約数cmの試料管に均一に入れることのできるもの(粉体が一般的)。ゲルのような膨潤性試料についても測定可能。
(測定可能元素) 11H,13C,29Si,31P,27Al,19F,15N,23Na,6,7Li,131Cs,89Y,2H,など
(測定対象物) 有機化合物、高分子材料、金属酸化物、ゼオライト、粘土鉱物など
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過去の問題点 |
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参考書 |
NMRが初めての方
「これならわかるNMR」 安藤喬志、宗宮創著、化学同人
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