電子スピン共鳴装置 ESR(日本電子JES-RE2X)

                                          設置場所:教育研究7号棟1階 担当者:出口博之
分析できること
測定対象となる電子は不対電子に限られるが,不対電子をもともと持っている物質、電子をもともと持っていないが人為的に不対電子を持たせることのできる物質がESRの測定の対象により、これらの物質内の不対電子のミクロな振る舞いを調べることができる。

分析原理
電子はそれ自身が固有の角運動量(スピン角運動量)を持っていて、小さな磁石と見なすことができる。この電子を静磁場中に置くとエネルギーレベルが分裂し、そのエネルギー差に相当するエネルギーの電磁波を照射したとき、その電磁波を共鳴的に吸収する。
これを電子スピン共鳴(Electron Spin Resonance:ESR)吸収という。
ESR吸収が起こる磁場、電磁波のエネルギー(波長や周波数)、吸収強度などを測定することにより、物質内の不対電子の振る舞い、すなわち、不対電子の存在する環境や不対電子間の相互作用、あるいは不対電子と原子核スピン間の相互作用などを明らかにすることができる。

分析試料について
測定は、室温、液体窒素温度、液体ヘリウム温度域で可能であるが、それぞれの測定温度域で測定用試料の調整は異なる。室温では、通常は、固体試料でも液体試料でも、5mm径のガラス試料管に入れて測定する。液体窒素温度での測定では、専用のガラスデュワー瓶を併用する。液体ヘリウム温度域での測定には、専用の低温装置(クライオスタット)を使用する。

利用に際しての注意
電子スピン共鳴(ESR)装置には専任のオペレーターがいないので、原則として、測定は利用者自身で行わなければならない。ただし、初めて利用する方には、測定方法を簡単に教えます。また、利用時間に応じて利用料金を課しているが、液体窒素温度、液体ヘリウム温度域での測定に必要な寒剤などは、利用者自身が準備しなければならない。